Posters
ポスター発表
当日は高校生と WPI 研究者による 総 46 件 のポスター発表を行います。
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高校生
高校生ポスター一覧
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WPI 研究者
研究者ポスター一覧
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高校生
高校生ポスター一覧
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H-01
砂浜におけるマイクロプラスチックの広域分布図の作成に向けた測定方法の評価と確立
宮城県仙台第三高等学校
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概要 私たちは海岸線におけるマイクロプラスチックによる環境汚染の現状を調べるため、マイクロプラスチックの分布図の作成を目的として研究を開始した。本研究では適切な評価法を確立する。高校生でも簡単に行えるコドラート法を用いて、植生帯と満潮線において肉眼でのプラスチック片の採集を行い、分類、個数のカウントを行った。その結果、同エリアでの植生帯と満潮線でのプラスチック片の分布には傾向があり、ほとんどのエリアで植生帯のほうが多いことがわかった。これらの結果から私たちは分布図作成の際には植生帯での採集を基準とし、より広域的なデータを比較することを検討している。また、同エリアにおいて植生帯から満潮線にかけて2〜3m間隔での採集も行った。その結果、木の枝といった環境要因も局所的にプラスチック片の個数に影響することがわかった。それにより、さらなる植生帯での採集の重要性が示唆された。
H-02
キトサンを使用したスズの吸着
福島県立白河高等学校
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概要 本研究は、PM2.5に含まれアレルギー悪化に関与するスズをキトサンで吸着回収することを目的とした。キトサン1gを0.15mol/L酢酸水溶液30mLに溶かし、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液10mLに滴下して球形キトサンビーズを作製後、2.5%グルタルアルデヒド溶液で架橋処理した。指標の塩化銅(Ⅱ)、目的物質の塩塩酸性塩化スズ(Ⅳ)の水溶液(各0.001〜0.02mol/L)を用意してビーズを加え、錯体形成による呈色後に吸光度を測定した。銅は全濃度で吸光度が減少し一定の吸着容量を示した。一方スズは高濃度(0.005〜0.02mol/L)でほぼ変化がなかったが、0.001mol/Lでは約93%と著しく減少し、低濃度域でのスズ吸着の可能性が示された。今後は実環境に近い極低濃度(1.0×10⁻⁸mol/L)の塩化スズ(Ⅳ)含有気体を酸性水溶液へバブリングし気相からの回収率を検証する。
H-03
お茶パック由来ナノプラスチックの形態観察およびオオミジンコへの曝露による長期的影響の検証
茨城県立つくばサイエンス高等学校
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概要 身近な「お茶パック」から取り出されるナノプラスチック(NPs)が生態系に及ぼす影響を検証した。市販の製品を熱水処理・濃縮して作製したNPs分散液を、紫外可視分光光度計を用いて相対濃度を測定した。また走査型電子顕微鏡で観察した結果、数百 nm〜1 μm程度の微小なプラスチック片や繊維片とみられる物体が多数存在することが確認された。次に、この分散液を用いて生態試験の標準種であるオオミジンコを8日間曝露した。その結果、標準的な48時間の試験では影響が見られない濃度であっても、長期的な曝露によって生存率が急減する「遅発性毒性」が確認された。死亡した個体の消化管観察等から、微小なNPsの蓄積による物理的閉塞が主な死因と推測される。本研究は、身近な日用品から発生する物質を、SEMを用いて明確に可視化するとともに、従来の短期試験では見落とされがちな、潜在的な長期的リスクを示唆するものである。
H-04
ナイルレッド蛍光染色と画像解析によるマイクロプラスチック簡易測定法の開発
茨城県立玉造工業高等学校
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概要 マイクロプラスチック(MPs)による環境汚染が世界的な問題となっているが、その調査には専門的な分析装置や技術を必要とする場合が多い。そこで、本研究では、高校などでも利用可能なMPsの簡易測定法の開発を目的として、ナイルレッド蛍光染色、撮影装置、画像解析を組み合わせた測定方法を検討している。現在は、複数種類のプラスチック標準試料を用いて染色条件や撮影条件を検討するとともに、撮影画像からMPsを抽出し、粒子数などを自動的に解析する方法の開発を進めている。今後は環境試料への適用と測定精度の検証を行い、地域ごとのMPs量の比較や地図上での可視化を目指す。さらに、学校や地域でも継続的な環境調査に活用できる測定法へ発展させていきたい。
H-05
流水性サンショウウオの保護を軸とした生態研究
茨城県立太田第一高等学校
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概要 流水性サンショウウオは河川の最上流部等きれいな川に生息している。そのため森林開発の影響を受けやすく、現在日本に生息する流水性サンショウウオ26種のうち21種が絶滅危惧種に指定されている。本研究は、流水性サンショウウオの保護を軸とした、河川の豊かさの維持・回復を目的としている。具体的には、生息地の植生および水質調査、幼生からの飼育実験、これらを踏まえた保全の手引き書の作成、流水性サンショウウオの減少の実態を知ってもらうことで保護の意識を高めるためのwebサイト開設、という4つの活動を行った。その結果、森林開発によるリター層の減少および生息域の分断が、個体数の減少に影響を与えているのではないかという仮説を得た。また、飼育環境下における個体の上陸に成功した。さらに保全の手引き書の原案を作ることができた。今後は、手引き書の適用および有用性の検証、流水性サンショウウオの繁殖および長期飼育を目指す。
H-06
漂着軽石を用いたモルタルの特性評価と利用に向けた基礎研究
静岡県立磐田南高等学校
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概要 降下軽石は軽量コンクリートの材料として利用されている。本研究は硫黄島の漂着軽石を用いたモルタルの利用法確立を目的とする。漂着軽石、降下軽石(鹿沼土)、市販の左官砂(対照)の3試料によるモルタルを作成し、圧縮強度、吸水率、密度、熱伝導の5つの観点から特性評価を行った。実験の結果、圧縮強度および吸水率は鹿沼土>硫黄島>左官砂の順に高く、密度は硫黄島・左官砂>鹿沼土の順に高かった。熱伝導の実験では、鹿沼土が一番熱を伝えにくく、その次に硫黄島、左官砂が一番熱を伝えやすかった。圧縮強度の向上は軽石に含まれる二酸化ケイ素によるポゾラン反応が、密度と吸水率、熱伝導率は多孔質な構造が影響していると考えられる。これらの結果より、漂着軽石を用いたモルタルは、通常よりも高い圧縮強度と吸水率を必要とする場面や熱を伝えにくい材料が求められる場面での運用が期待できる。
H-07
静岡県で産出するノジュールの非破壊での識別方法の検討
静岡県立磐田南高等学校
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概要 本研究は、静岡県で産出したノジュールを破壊せず外見から識別する手法を確立させることを目的とした。三倉川(A)で12個、大井川(B)で15個、安倍川(C)で1個の丸みを帯びた岩石を採取し、塩酸滴定、密度測定、切断面観察を行った。炭酸塩ノジュールは、塩酸との反応で発泡するが、特にBの多くで発泡を確認した。また先行研究(佐藤,2019)よりノジュールの密度は2.6g/cm³程度であり、測定でもA・Bの試料は概ね2.5〜3g/cm³の範囲に分布した。さらに、Bのいくつかの切断面に層状構造が確認できた。以上の結果より、Bの複数がノジュールであると判断した。そこで、ジングの分類を参考に三軸測定して形状を細分化し岩石試料の違いを調べた。しかし、多くの試料が球状でありノジュールの判断基準としては有効ではない。今後は非破壊で識別を可能にする手法を模索し、薄片観察や化学分析による産出地点ごとの特徴比較を行う。
H-08
スギナに見られる蛍光成分Ⅵ
静岡県立磐田南高等学校
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概要 スギナの薄層クロマトグラフィーに紫外線を当てたところ、原点に青い美しい蛍光成分を確認した。青い蛍光成分は、水溶性で高温乾燥に強く安定しており、NMR分析で、糖と芳香環を持つ物質であることが分かったため、「配糖体化して水溶性となったフラボノイドである」という仮説を立てた。現在は蛍光成分の成分同定を目標に研究を進めている。昨年度研究で、蛍光成分の候補であったアピゲニンは標品が蛍光しないため除外した。蛍光成分はカラムクロマトグラフィーによりF1~F3に分離し、蛍光が特に強いF2をさらに3種類に分取したところ、F2-2が純粋な物質であることが分かった。F2-2のLC-MS分析で配糖体とアグリコンの分子量が判明したため、加水分解で糖を除いてアグリコンとし、アグリコン分子量から候補となったルテオリン、ケンフェロールの標品とLC-MSで比較した。その結果、ルテオリンと一致し、蛍光成分の一つを同定できた。
H-09
外的環境がアレロパシーに及ぼす影響
静岡県立磐田南高等学校
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概要 マメ科植物ヘアリーベッチに含まれるシアナミドは強いアレロパシー作用をもつ一方、尿素やNH4+に素早く分解されるため、農薬兼肥料として利用されている。我々は土や光など外的環境がシアナミドのアレロパシーに与える影響を調べ、シアナミドを農薬として効果的に活用する方法を探究している。まずは寒天培地の濃度を調節することにした。1.0%、1.5%、2.0%濃度の寒天培地に、シアナミド添加の有・無の条件下でレタスの発芽数を比較した。高濃度寒天培地ではシアナミドが拡散しにくく発芽抑制効果が小さいと仮説を立てた。結果、シアナミド無の培地では1.5%濃度以上の寒天培地では全て発芽し、シアナミド有の培地では、2.0%の寒天培地でのみ発芽した。安定したレタスの発芽には1.5%以上濃度の寒天培地が必要と分かった。今後、シアナミドと寒天培地濃度による発芽抑制の条件を探るつもりである。
H-10
挿し木に微電流を流すことによる発根への影響
名古屋市立菊里高等学校
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概要 植物の挿し木は、植物を増やす方法の一つであるが、発根には個体差があり、安定して発根させることは容易ではない。そこで本研究では、微電流が挿し木の発根に与える影響を明らかにすることを目的とした。実験では、ペパーミント挿し木を用いて、電流を流さないものと、10μA、50μA 、100μAの微電流を流す環境を準備した。1回の実験期間は2週間とし、実験中は毎日挿し木の長さを測定するとともに、発根の状態を記録して各条件を比較した。その結果、電流を流した条件と流していない条件の間で、発根数に違いが確認された。一方で、各条件下での測定値にはばらつきがみられたため、現時点では微電流が発根を促進すると断定することはできなかった。今後は実験回数や個体数を増やし統計的な検証を行うとともに、電流の大きさだけでなく電流の向きによる影響についても比較しながら、植物ホルモンやイオンの移動との関係について考察を深めたい。
H-11
陸上競技用シューズの物理特性の測定とパフォーマンスへの影響
三重県立上野高等学校
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概要 本研究は、陸上競技シューズの厚底シューズのソール厚やスパイクピンの物理係数(反発・摩擦係数)を測定し、走動作への影響を比較検証した。ピンの長さや形状の違いが走フォームや着地動作に与える変化を定量的に分析し、「長ピン=短距離用、短ピン=長距離用」という従来の経験則を物理的データに基づき再検証し、スプリントや競歩動作のパフォーマンスに及ぼす影響も併せて検討した。これらの分析を通じて、シューズの構造特性と競技動作の関係性を科学的に解明し、最適なシューズやスパイクの選定に資する知見を得た。
H-12
根粒菌による窒素固定のはたらきを可視化するための実験の開発
京都府立桃山高等学校
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概要 本研究では、教科書や資料集に根粒菌による窒素固定のはたらきを深く理解できる実験が見られないため、窒素固定のはたらきを可視化することにより全国の高校生が理解できる実験系を確立することを目的とした。
「窒素成分あり」「窒素成分なしかつ根粒菌感染」「窒素成分なし」の3つの条件の寒天培地にシロツメクサの種を植え、人工気象器にて約8週間栽培し生育の差を見る対照実験を行った。寒天培地を用いることで地上部と根部を同時観察可能な実験系とした。結果は窒素ありと根粒菌感染が同程度、窒素なしがそれらより劣るという生育状態であったため、根粒菌による窒素固定が行われたことを可視的に示せた。
現在、再現性の確保のため人工気象器等の装置がない高校で同様の実験を行っても同じ結果が出るのかを確認している。
今後、本研究を教科書会社等に提案して全国の高校生の窒素固定のはたらきへの理解に貢献したい。
H-13
メランポディウムにおける天敵温存成分の放出部位の特定
京都府立桃山高等学校
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概要 本研究では、キク科の植物であるメランポディウムに天敵温存の効果があるということに着目し、その成分を放出している部位を特定をすることを目的とした。まず、アブラムシと蒸留水を混合し濾過することで、エリシターという成分を抽出する。これは、植物に抵抗反応を誘導する成分である。これを以後エリシター液と呼ぶ。次に、メランポディウムを部位ごとに切断し、砂糖水のみ、砂糖水に挿した葉、茎、花、根をそれぞれ設置した箱を用意する。各部位は柄つきばりで傷をつけ、エリシター液を塗布することで、アブラムシによる食害を再現する。液が浸透した後、箱の中にテントウムシを放ち、一定時間後に基準の範囲の中に入っているテントウ虫の数を数える。これにより、天敵温存の効果を示す部位のおおよそを特定する。今後、この方法により反応を確認し、考察していきたい。
H-14
アカハライモリの再生スピードと水中の溶存酸素量の関係について
京都府立桃山高等学校
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概要 アカハライモリには高い再生能力があることがわかっている。この研究ではアカハライモリの再生能力と水中の溶存酸素量との関係を明らかにすることを目的としている。
研究方法は観察を基本としておこなった。水中の溶存酸素量を変化させた水槽を三つ用意し、アカハライモリ3匹の尾をほぼ同じ長さになるように切断した。3匹をそれぞれの条件下に分けて飼育し、尾の再生スピードに変化はあるのかを観察した。
現在、観察は3ヶ月目に入っており、その結果は溶存酸素量が高いアカハライモリは再生が始まった日が早く、伸びる速度が他の個体と比べても早いことがわかった。反省点は尾の長さの測り方が正確性に欠け、写真による比較しかできなかったことに加え、数値で結果を表すことができないということが問題点である。
今後は尾の長さの測り方をより正確に行える方法を模索し、正確なデータと根拠を持って研究を行っていきたい。
H-15
磁界による蚕の成長への影響
大阪府立千里高等学校
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概要 生物への磁界の影響は動植物の発生・成長の促進が報告されており、植物の育成への利用も試みられている。蚕では生存率の低下の可能性とともに繭の変形が示されている。磁界が生物の成長と蚕の繭の形成に影響を与えることから、磁界を蚕の成長と糸の産生促進へ利用することを目的に研究を行った。蚕の二令幼虫を3集団(各35匹)に分け、フェライト磁石との距離を調節することで磁束密度が約37mT、70mT、磁界なしの環境をつくり同一量の飼料を与え飼育した。体長・体重・摂食量・生存数を計測した結果、摂食量に有意差はなかったが、体長と体重は「37mT>磁界なし>70mT」の順で大きい傾向を示した。一方、37mTの集団のみ初期に6匹が死亡した。以上より磁束密度が蚕の成長に影響を与える可能性が示された。ただし、37mT群では飼育初期に死亡がみられたため、生存への影響も検討する必要がある。
H-16
風レンズ風車の後流の工学モデルの作成
大阪医科薬科大学高槻高等学校
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概要 現在、風レンズ風車の後流モデルの研究は数が極めて少なく、その複雑な流動特性を適切に表現できる新たなモデルの開発をしている。本研究では、COMSOLを用いた詳細な数値流体力学解析により、従来の風車とは異なり、風レンズの右側後方で風が局所的に加速する現象を確認した。一方、現在広く用いられているBastankhahモデルやJENSENモデルなどの既存の工学モデルは、対称的な後流分布を仮定しており、この非対称な加速現象を表現することができない根本的な制限を持つ。そこで本研究では、風レンズの右側後方における加速効果を正確に再現できる新しい後流モデルを構築した。本モデルの活用により、複数の風レンズ風車を配置する際の最適な条件や配置方法の検討が容易になり、風車群全体の発電効率向上に大きく貢献することが期待される。
H-17
感情変化を測定するための指標としての瞳孔反応
大阪医科薬科大学高槻高等学校
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概要 音楽を聴くことは、人の感情に様々な影響を与えるが、音楽の感情に対する影響については、感情報告が主観的な指標しかない、ということから評価が難しい。そこで、我々は音楽が感情に与える影響を評価できる客観的な指標として『瞳孔反応』に注目した。これまでの先行研究から、ゲームの没入感が瞳孔反応に影響を及ぼすことが報告されている。そこで我々は、音楽を聴いたときの被験者の感情の変化に応じて、瞳孔反応に違いが生じるのではないかと考え実験を行うこととした。実験では、瞳孔反応を測定しながら被験者に音楽(J-POP)を聴いてもらい、聴いた後の感情(元気・怒り・疲労・心地よさをそれぞれ5段階評価)を聴取し、測定した瞳孔反応との関係性を調べた。また、その曲やアーティストに対する嗜好性が感情に影響を与えるかについても考察した。
H-18
カフェインの含有量〜エナジードリンクを安全に飲用するために〜
関西大学高等部
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概要 エナジードリンクは、集中力の向上などに効果があると言われているが、一方で健康被害も起こっている。今回、エナジードリンクを安全に飲用する方法を検討するために、健康被害の1つの要因であるカフェイン中毒に注目し、エナジードリンク、栄養ドリンク、コーヒー、緑茶のカフェイン含有量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。そのうち、エナジードリンクとコーヒーに含まれるカフェインの量はそれぞれ100mlあたり41mg、37mgと、ほとんど変わらなかった。コーヒーにはカフェイン中毒のような健康被害が見られないため、文献調査も行った。文献調査によると、コーヒーは1杯あたりのカフェイン吸収量が43〜86mgで、エナジードリンクは1本あたり89〜115mgであり、カフェインの吸収量に差があることが分かった。
以上のことから、今後は他の含有成分に注目して、エナジードリンクを安全に飲用する方法を追究していきたい。
H-19
木質セルロースからキトサンを産生する糸状菌の探索
大阪府立園芸高等学校
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概要 アミノ多糖類であるキトサンは生体親和性が高く、手術用の糸や止血材料などに活用されるとともに、コレステロール吸収抑制の効果により特定保健用食品に指定されている。現在のキトサン産業では主に甲殻類のキチンを加工して得られているがアレルギーなどの課題が指摘されている。甲殻類アレルギーの心配のないキトサン生成について有望視されてきたケカビMucor roxiiは培養にデンプンなどの糖質が必要である。そこで、本研究では燃料等利用が限られている木質セルロースの有効活用を視野に、オガクズで旺盛に生育する糸状菌からキトサンを生成し抽出するできる株を選抜し、Mucor roxii菌体と抽出量の比較を行うとともに、DNA分析により種同定を行なった。その結果、木質セルロースからキトサンへのバイオマス変換に有望なツチアオカビTrichoderma属の3株を得ることができた。
H-20
植物の葉を使った食中毒菌とカビに対する抗菌殺菌剤の開発
兵庫県立神戸高等学校
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概要 近年、外食や食品の流通が盛んになる中、食中毒を防ぐための衛生管理の重要性が高まっている。食品工場などでは化学的な殺菌・抗菌剤が利用されているが、人体や環境への影響が懸念されるものもあり、より安全で環境負荷の少ない方法が求められている。そこで本研究では、食中毒菌やカビに対して殺菌・抗菌作用を示すビワ、カキ、オリーブの葉に着目し、最も効果の強い葉を特定するとともに、その葉を利用した殺菌・抗菌剤の開発を目指す。まず予備実験として、乾燥カキ葉の抽出時間を変化させ、CFU法により最適な抽出条件を決定する。次に本実験1では、3種の葉を乾燥、冷凍、冷蔵の3条件でアセトン抽出し、CFU法および薬剤ディスク法により殺菌・抗菌作用を比較する。本実験2では、本実験1で最も効果の高かった葉を用いて殺菌・抗菌剤の開発を試みる。今後は、環境や健康への負担が少なく、食品に利用しやすい殺菌・抗菌剤の実現を目指す。
H-21
炭素電極を用いた海水電解における磁場による塩素発生抑制効果
兵庫県立宝塚北高等学校
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概要 カーボンニュートラルの実現に向けて水素の需要が拡大する中、豊富な水資源を活用する海水電解に注目が集まりつつある。しかし、塩素ガスの発生による安全性と環境への影響が懸念される。これに対して磁場を印加することによる塩素の発生抑制が報告されているが、電極に高価な貴重な白金電極を用いている。そこで、 安価で汎用性が高く耐久性のある炭素棒電極を用いて、同様の効果が得られるか検討した。炭素棒電極の下から磁場を印加した状態で5 Vで30分間、3.5% NaCl 水溶液の電気分解を行った。塩素の発生をヨウ素滴定により定量し評価した結果、発生が3.3%抑制され、先行研究同様の効果が確認された。また、磁石の向きを変えて磁場を印加することでその効果は変化したことから、塩素発生の抑制には磁場の向きが関係し、電極の材質に関係しないことが示唆された。
H-22
ミドリムシの増殖に有機物が及ぼす影響
兵庫県立宝塚北高等学校
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概要 ミドリムシには光合成により増殖する植物的な特徴と、有機物を利用するという動物的な特徴があります。そして、植物の生長は、必要な栄養素のうち最も不足している要素だけに左右されるというリービッヒの最小律に当てはまることがわかっています。そこで私たちは、リービッヒの最小律により制限されたミドリムシの増殖力を有機物の添加で回復させられるという仮説を考え検証しました。先行研究より、リンと窒素の制限がミドリムシの増殖に大きな影響を与えることがわかっているため、それぞれを制限した培地で培養し、有機物を加えて増殖量の変化を確認しました。また独立栄養であるクロレラでも同様の実験を行い比較しました。培地については、CM培地を希釈して栄養制限の状態にしたものを対象区として、NP添加、有機物添加、光照射の3つの条件から合計12種類作り比較しました。
H-23
香りを持つクロモジ類の分類学的研究(続報) ~かおり成分分析と分子系統解析から~
兵庫県立小野高等学校
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概要 日本にはクロモジ類がクロモジと変種オオバクロモジ、ヒメクロモジ、ケクロモジと変種ウスゲクロモジの3種2変種が分布している。これらのクロモジ5分類群は識別が難しく、しばしば混同される。私たちは香り成分の分析と分子系統解析からこれら5分類群について研究を行った。香り成分は水蒸気蒸留で芳香蒸留水と精油を作成、精油についてはガスクロマトグラフィー質量分析を行った。また、DNAを抽出、MIG-seq解析から戻ってきたraw-Dataを分析してネットワーク図、さらに解析を行って遺伝子構造図を作成した。NGS解析からは葉緑体全ゲノム解析を行った。精油分析の結果、葉緑体全ゲノム分析、MIG-seqでもクロモジ-オオバクロモジ2分類群と、ヒメクロモジ、ケクロモジ、ウスゲクロモジ3分類群の間で差があることがわかった。また、ウスゲクロモジはケクロモジの変種ではなく、独立した種である可能性が高いことも判明した。
H-24
兵庫県播磨地方に見られる大型長葉型シハイスミレに関する研究
兵庫県立小野高等学校
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概要 兵庫県播磨地方には葉が大きくかつ長細くなるシハイスミレが生育している。この個体とシハイスミレ、狭葉変種であるマキノスミレ、近縁種のフモトスミレをサンプリング研究を行った。葉の形態を測定して主成分分析を、また、DNAを抽出してMIG-seq解析を依頼、RAW-DATAを分析してネットワーク図を作成、さらに遺伝子構造図を作成した。ネットワーク図を作成すると、明瞭に播磨地方の大型長葉型シハイスミレは他のシハイスミレ、マキノスミレ、フモトスミレと分離した。結果は遺伝子構造図でも明瞭で、これらから、播磨地方の大型長葉型シハイスミレはシハイスミレ、マキノスミレと異なり変種または別種程度に分化している可能性、ないしはシハイスミレ、マキノスミレの雑種が倍数化した可能性が考えられる。本地方はシハイスミレとマキノスミレの接点であり、2種が交雑することによって、この大型長葉型シハイスミレが生じた可能性が高い。
H-25
高音をクリアに伝えることのできる マスク構造の開発
広島大学附属高等学校
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概要 本研究では、高周波音をより明瞭に伝えられるマスク構造の開発を目指しています。新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの人がマスクを着用するようになりました。一方で、マスクを着用すると声が聞き取りにくくなることがあり、特に子音などに多く含まれる高周波音はマスクによって減衰しやすいことが知られています。また、高齢者は加齢によって高周波音が聞き取りにくくなる傾向があるため、高周波音を明瞭に伝えることは、円滑なコミュニケーションにつながると考えました。そこでマスクの構造に着目し、それらが音の伝達に与える影響を調べています。実験では、さまざまな周波数の音やホワイトノイズを用いてマスクを通過する前後の音圧レベル(SPL)を測定します。周波数ごとの音圧レベルの減少量を比較し、マスクによる音の減衰特性を評価することで、より高周波音を伝えやすいマスク構造を検討しています。
H-26
風による髪の絡まり方
広島大学附属高等学校
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概要 日常生活で風に吹かれた際に髪が絡まることに着目し、風の条件の違いによって髪の絡まりがどのように変化するのかを明らかにすることを目的として研究を行った。
予備実験では、髪が絡まる際の動きを調べ、その結果をもとに風の強さに着目した実験を行った。教室の扇風機(3 m/s)と江波山気象館の突風マシーン(5~20 m/s)を用いて一方向から風を当てたところ、扇風機では絡まらなかった一方、突風マシーンでは髪が絡まり、一方向の風でも風が強いほど髪が絡まることが分かった。また、絡まりは襟付近に集中していた。
今後は、多方向からの風による実験を行うとともに、カットウィッグを用いて襟が髪の絡まりに及ぼす作用を検証する。さらに、シミュレーションを用いて絡まりの位置をより正確に測定し、風と髪の絡まりの関係を明らかにする。
H-27
螺旋階段を設置した建物の耐震性について
広島大学附属高等学校
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概要 螺旋階段の設置条件を変えた建物の耐震性の変化について研究している。地震大国である日本において建物の耐震性に関する研究は意義があると考え、研究を始めた。特に、避難経路として用いられる螺旋階段に着目した。
私たちが行っている実験は、建物の模型を作成し、耐震性を調べるものである。今まで行った実験は以下の通りである。まず、木製の建物の模型を作り、その模型を本校の先輩方が作成した加振台(30Vに変圧)を用いて揺らした。そして模型の1階と2階に加速度センサーを取り付け、加速度を測定した。その結果、1階と2階の加速度を比較すると2階の加速度の方が大きくなったことから、2階の方が揺れが大きくなると考えられる。また、1階と2階の加速度の差が小さくなれば、耐震性が大きくなると仮説を立てた。
この結果をもとに、螺旋階段の支柱の太さや設置場所を変えた実験を考えている。
H-28
規格外サツマイモを活用した生分解性フィルム開発:材料特性と環境負荷低減の可能性
徳島市立高等学校
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概要 本研究は、規格外品として廃棄されるサツマイモの有効活用と、環境負荷の小さい素材開発を目的として、サツマイモ由来デンプンによる生分解性フィルムの作製を試みたものである。まず片栗粉でフィルム作製条件を再現し、可溶性デンプン粉末では糊化が不十分で失敗するなど、材料による差を確認した。そこで、糊化温度、材料比率、加熱時間、成膜方法を30回以上試行錯誤し、サツマイモおよびジャガイモデンプンから安定したフィルムを作製する条件を確立した。得られたフィルムの強度、吸水性、柔軟性を比較したところ、サツマイモは糖類や色素の影響により高い透明度と弾力を示し、ジャガイモは硬く伸びにくいなど、材料特性の違いが明確に表れた。今後は、アミロース/アミロペクチン比との関連を検討するとともに、生分解性の評価方法を確立し、環境負荷低減の可能性を探る予定である。
WPI 研究者
研究者ポスター一覧
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W-01
物質の中の量子世界 ―電子が生み出すDirac電子と集団の粒子―
東北大学 材料科学高等研究所(WPI-AIMR) 本間 飛鳥
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概要 スマートフォンやコンピュータ、自動車など、現代の生活を支える製品には、電気を流す、光を発する、磁石になるなど、さまざまな材料の機能性が利用されています。こうした機能性を生み出している主役が、物質中の電子です。電子は原子を構成するだけでなく、周囲の電子や結晶格子と相互作用し、物質ごとに異なる性質をもたらします。このような電子の状態を調べる方法の一つが、光電効果を利用した角度分解光電子分光です。物質に光を当てて飛び出した電子のエネルギーや運動量を測定することで、物質中の電子の姿を知ることができます。本発表では、この手法で明らかになるトポロジカル絶縁体という材料のDirac電子を紹介します。さらに、電子が対を組むクーパー対や、電子が持つ小さな磁石としての性質が集団で揺れて生まれるマグノンにも触れ、物質の中に広がる量子世界の魅力をお話しします。
W-02
銀河像の歪みで見る宇宙:大規模銀河データの弱重力レンズ解析
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU, WPI) 手良脇 大誠
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概要 我々が観測する銀河像の形状は、光の経路上にある物質の重力によって僅かに歪められている。一般相対性理論が予言するこの弱重力レンズ効果は、電磁波では不可視なダークマターの分布を「見る」ことの出来る眼鏡と言える。観測的宇宙論では、すばる望遠鏡などの大規模な装置を用いて数千万天体にも及ぶ大量の銀河像を観測し、その「相関」に着目した統計的な解析を行なっている。この弱重力レンズ効果の解析により、ダークマターの存在量や宇宙大規模構造の形成進行度をはじめとする、この宇宙の普遍的な性質に迫ることができる。本ポスター発表では、弱重力レンズ効果の物理と、「大規模な銀河データから如何にして宇宙論的な情報を最大限引き出すか?」という現代宇宙論解析の最先端を紹介する。
W-03
「濃度」を考え直す ― 分子箱庭でデザインする「分子の濃度」
京都大学 物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS) 吉村 柾彦
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概要 私たちは化学反応や分子間相互作用を考えるとき、「濃度」を重要な指標として用います。溶液中の分子の数を増やして濃度を高めると、分子どうしが出会う頻度が増え、反応も起こりやすくなります。一方、細胞の中では、多くの分子が広い空間を自由に動くのではなく、狭い場所に集められたり、限られた範囲だけを動いたりしています。こうした空間的な制限によって、分子はあたかも高濃度に存在するかのように出会いやすくなります。そこで私たちは、DNAでつくったナノサイズの箱にタンパク質を閉じ込め、その動ける範囲を自在に調節する「分子箱庭システム」を開発しました。分子箱庭を使って細胞内の分子の出会いを再現し、「濃度」という考え方を新しい視点から捉え直すことで、これまで弱すぎて観測が困難だった分子間相互作用を検出したり、新しいタイプの薬剤の創出につなげたりすることを目指しています。
W-04
制御性T細胞のCTLA-4は成熟樹状細胞上のCD80を除去しPD-L1を解放する
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC) 森本 玲生
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概要 免疫系には、過剰な応答を防ぐための対照的な2つの抑制機構が存在する。PD-1は、ブレーキ分子であるPD-L1と結合し、そのT細胞自身の活性シグナルを下げる「直接的」な抑制機構である。対してCTLA-4は、アクセル分子であるCD80と結合・奪取することで、他のT細胞の活性シグナルを下げる「間接的」な抑制機構である。
通常、免疫の司令塔である樹状細胞上には、相反する機能を持つCD80とPD-L1が同時に存在する。実はこれらのCD80とPD-L1同士は、普段互いに結合し2量体を形成することで、ブレーキ機能は封印され、アクセル機能が優先されている。
今回我々は、制御性T細胞(Treg)が、CTLA-4を介して樹状細胞からCD80を奪うと同時に、PD-L1を解放させることを発見した。すなわちTregは、アクセルの奪取とブレーキの解放によって、「間接・直接」同時の強固な抑制を実現しているのである。
W-05
電力不要で受動的に冷える日中放射冷却とその環境発電応用
物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター(WPI-MANA) 石井 智
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概要 天気予報で耳にする放射冷却。これは、地表の熱がより低温の上空に向かって、熱放射により熱輸送されることで冷える現象です。通常、自然界では放射冷却による冷却は夜間にしか起こりません。それは、日中でも上空への熱放射は起きているものの、日中は地表が太陽熱で暖まり、冷却効果を相殺してしまうからです。しかし、高い太陽光反射と高い熱放射性能を両立する膜や素材があれば、日中でも放射冷却によって、受動的に冷やすことができます。今回は、NIMSが開発した高性能日中放射冷却膜と、放射冷却による温度差を利用した24時間発電可能な環境発電素子を紹介します。
W-06
Investigation of Oxygen Oversolubility in Nanoconfined Single-Atom Iron on Carbon for the Oxygen Reduction Reaction Using a Machine-Learning Interatomic Potential
九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(WPI-I²CNER) Jessie Manopo
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概要 This study presents a new viewpoint on oxygen reduction reaction (ORR) environments by linking the occurrence of gas oversolubility to nanoconfined electrocatalytic interfaces. Although oversolubility has been discussed previously mainly in porous materials, its function in ORR systems and its molecular-scale effects on catalytic microenvironments have remained largely uninvestigated.
By employing machine learning interatomic potentials (MLIP) trained on density functional theory (DFT) data, the study enables highly efficient, large-scale molecular dynamics simulations of Fe–N4/C catalyst/water interfaces under nanoconfinement. The method allows one to simultaneously reproduce realistic interfacial dynamics and electronic-structure-level accuracy. The simulations show that oxygen molecules preferentially gather near active catalytic sites, thereby establishing a locally oxygen-enriched reaction environment. A further key finding is that dissolved oxygen is not simply a passive source of reactants; it actively reorganizes the interfacial water network by increasing tetrahedral ordering and strengthening hydrogen-bond connectivity. This solvent reconfiguration alters the solvation environment of ORR intermediates and suppresses the formation of intercalated water, indicating that confined gas solubility can fundamentally affect interfacial electrochemical reaction routes and catalytic performance.
W-07
睡眠中の脳機能から見出す「ストレス耐性」と「トラウマ治療」
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS) 川上 千夏
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概要 同じストレスを経験しても、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などの精神疾患を発症する人としない人がいます。その違いには遺伝や環境に加え、近年では「睡眠」の重要性が注目されています。ストレスは睡眠を悪化させますが、慢性的な睡眠不足もまたストレスへの脆弱性を高めるため、両者は「原因であり結果でもある」複雑な関係にあります。私たちはマウスの脳活動を覗き見ることで、ストレスを受けた際に睡眠中の脳内で何が起こるのか、またストレス適応の個体差を生む神経基盤の解明を目指しています。さらにPTSDに対しては、睡眠中に音刺激を用いて記憶に働きかけ、トラウマ記憶を和らげる新たな治療法の開発に取り組んでいます。本発表では、マウスの睡眠記録や脳イメージングなどの神経科学的手法を用いた基礎研究から、睡眠を活用したPTSD治療の可能性まで我々の研究をご紹介します。
W-08
熱水噴出孔の鉱物と塩水が駆動するフィラメント状原始細胞膜の自発的形成
東京科学大学 地球生命研究所(WPI-ELSI) 原田 駿翔
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概要 生命はいつ、どこで、どのように誕生したか。これは自然科学における根源的な問いである。この問いを解明すべく、我々は熱水噴出孔(HV)に注目した。近年、HVにおける持続的な発電に加え、その電気エネルギーを取り込む微生物が単離され、これは、原始生命の電気エネルギー獲得の可能性を示唆している。しかし、脂質集合体からなる原始細胞膜(ベシクル)の電気エネルギー取り込みに関する報告例はない。また、海水がベシクル形成を阻害するという課題もある。そこで本研究では、HVにおけるベシクル形成から電気エネルギー獲得に至る過程を検証した。その結果、鉱物、海水、脂質の共存により、鉱物表面からフィラメント状のベシクルが出現し、水中で運動する様子が顕微鏡により観察された。さらに、HVを模擬した電位をかけると、ベシクルへの電子供給が確認された。本結果は、ベシクルが海水中で形成し電気エネルギーを獲得した可能性を示唆している。
W-09
Development of Target-IPN – An Improved Photocatalytic Proximity Labeling Method for Elucidating the Seed Germination Mechanism of Striga hermonthica
名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM) 秋田 佳穂
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概要 遺伝子工学的手法の適用に大きな制約がある非モデル生物では、種固有の生理機能を担うシグナル伝達経路の理解が依然として困難である。本研究では、寄生植物 Striga hermonthica の発芽機構解明を目指し、光近接標識法の利用可能性を検討した。本手法では、リガンド分子に連結させた光触媒が引き起こす光反応により、ラベル化剤が高反応性化学種へ変換されて受容体近傍の生体分子群を化学標識することで、タンパク質相互作用を解析可能である。今回我々は、Striga hermonthica の自殺発芽促進分子SPL7に既存光触媒eosin Yを連結したプローブを合成し、SPL7受容体ShHTL7を選択的に標識できることをin vitroで確認した。現在、本手法による生物活性分子の未知標的タンパク質の同定可能性を検証するとともに、より高効率な近接標識を実現する新規光触媒の合成・機能評価を進めている。
W-10
心変わりする脳:認知神経科学で明らかにする判断が覆るメカニズム
東京大学 ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN) 村井 翔太
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概要 あなたはパン屋に行って最初はクリームパンを買うと決めたのに、数秒後にはメロンパンにしようと判断が変化したことはありませんか。
このような「心変わり」は柔軟さとも優柔不断さとも取れますが、心変わりが起きる脳の仕組みは、まだよく分かっていません。
この仕組みを明らかにするために、私たちは画面上を動く点の向きを答える課題を作り、心変わりが起きる瞬間を実験室で観測できるようにしました。そして、脳の血流を測る機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使い、課題に取り組んでいるときの心変わりに関わる脳活動を捉えました。さらに頭の外から磁気を当てる経頭蓋磁気刺激(TMS)により、一時的に脳活動を強めたり弱めたりすることで、脳活動と心変わりの因果関係を確かめています。
当日は、脳のどこが心変わりに関わるか、心変わりしやすい人とそうでない人で脳活動はどう違うのか、について実際の脳のマップとともにご説明します。
W-11
高速AFMで挑む!E6APの「動き」と「働き」の謎 ―分子の動きから病気に迫る―
金沢大学 ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI) 山本 颯馬
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概要 私たちの体をつくるタンパク質の多くは、決まった立体構造をとることで働いています。一方、決まった形を持たない「柔軟な部分」を持つものも存在します。この柔軟な部分はタンパク質の働きを調節するだけでなく、がんや神経変性疾患など、様々な病気との関わりが明らかになってきました。私は、このような柔軟な部分を持つE6APに着目しました。E6APは不要なタンパク質の分解に関わることで知られ、特にHPV由来タンパク質:E6と結合すると、がんを抑えるp53の分解を促し、子宮頸がんの発症に深く関わります。高速AFMでE6APを一分子観察した結果、その柔軟な部分が大きく動き、異なる状態間を遷移する様子を捉えました。さらに、E6やp53の結合によって各状態の割合が変化し、その変化とE6APの働きに関連があることも分かってきました。分子の「動き」と「働き」の関係を明らかにし、その変化が病気につながる仕組みに迫ります。
W-12
ハイドロゲルと空間トランスクリプトームが解き明かす膠芽腫がん幹細胞の微小環境
北海道大学 化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD) 白井 裕介
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概要 高悪性度の脳腫瘍である膠芽腫では、壊死や血管周囲のがん幹細胞が治療を困難にしています。WPI-ICReDDはソフトマター工学と腫瘍病理学の融合研究により、ハイドロゲル上でがん細胞を培養すると短時間で幹細胞様の形質を誘導するHARP現象を見出しました。この現象を利用して膠芽腫細胞株からがん幹細胞を創成し、脳の正常細胞アストロサイトと共培養し腫瘍微小環境の再現を試みました。ハイドロゲル上の膠芽腫細胞ではSox2・Nanog・Oct3/4等の幹細胞遺伝子に加え、細胞外基質関連遺伝子や血管周皮細胞様の遺伝子が誘導されました。Xenium空間トランスクリプトーム解析によりmRNAを細胞レベルで可視化し、ヒト膠芽腫組織の血管周囲細胞にこれらの遺伝子が発現していることを発見しました。ハイドロゲルというソフトマテリアル材料と空間トランスクリプトーム解析が解き明かしたがんの微小環境の最新研究を発表します。
W-13
自己免疫疾患病変部における免疫拠点と炎症
京都大学 ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi) 増尾 優輝
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概要 関節リウマチは自己免疫疾患の1つであり、免疫系の異常が関節の腫れや痛みを引き起こします。これまでの研究で、関節内に存在する末梢性ヘルパーT細胞(Tph細胞)が関節リウマチの病態に重要な役割を果たすことがわかっています。しかし、この細胞が関節内で維持・活性化される仕組みについては不明でした。
私たちは、Tph細胞には幹細胞に似た性質を持つ細胞(幹細胞様Tph細胞)と活性化した性質を持つ細胞(エフェクターTph細胞)が存在することを明らかにしました。幹細胞様Tph細胞は、三次リンパ構造と呼ばれる免疫細胞の拠点内に存在し、自らを複製し増殖する能力を持ちます。幹細胞様Tph細胞の一部はエフェクターTph細胞へ分化し、拠点から出て炎症に関与する細胞と共存していました。幹細胞様Tph細胞は関節リウマチ滑膜でのTph細胞の維持と活性化に関わっており、新たな治療標的となることが期待されます。
W-14
太陽から飛来する未知の粒子を探す― 超伝導を使った超高感度温度計「マイクロカロリメータ」の開発 ―
高エネルギー加速器研究機構 量子場計測システム国際拠点(WPI-QUP) 田中 圭太
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概要 宇宙には、未だ正体の分かっていない「暗黒物質」が存在すると考えられています。例えば、銀河中を運動する星の速さを調べると、目に見える星やガスの重力だけでは、その運動をうまく説明することができません。そこで、宇宙には光では見ることのできない未知の物質が大量に存在すると考えられるようになりました。その暗黒物質の候補の一つが、「アクシオン」と呼ばれる未知の素粒子です。アクシオンは、私たちに最も身近な恒星である太陽の内部でも生成され、地球まで飛んできている可能性があります。私たちは、この太陽からやってくるアクシオンを捉えるため、粒子のエネルギーを熱に変えて測定する超高感度な温度計「マイクロカロリメータ」を開発しています。本発表では、このアクシオンをどのように検出するのか、そして自作している検出器のしくみや開発状況について紹介します。
W-15
幹細胞から考える膵臓がんの治療と予防
大阪大学 ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(WPI-PRIMe) 森谷 千春
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概要 我々の体には、分裂して自分と同じ細胞を作る能力と、様々な細胞に分化する能力を持ち、組織の形成や修復に寄与する「幹細胞」が存在します。一方、がんの中にも、自己複製しながら多様ながん細胞を生み出す「がん幹細胞」と呼ばれる細胞が存在すると考えられています。このがん幹細胞は、がんの増殖や再発、治療への抵抗性に関係する可能性があり、膵臓がんなどの治療困難ながんの治療標的として研究されています。発表者はこれまで、正常な幹細胞の維持等に関わるPRDM14というタンパク質が、膵臓がんにおいてがん幹細胞性に寄与し、その阻害が肝転移形成などの悪性形質を抑制する有望な治療ターゲットであることを明らかにしました。本ポスター発表では、正常な幹細胞とがん幹細胞の違いや、上記のがん幹細胞研究に加えて、iPS細胞などの新しい技術を使った、将来の膵がんの早期発見や治療法につながる展望について紹介します。
W-16
Packing Design: 分子のわずかな形の違いで熱膨張を制御する
広島大学 持続可能性に寄与するキラルノット超物質拠点(WPI-SKCM²) 土屋 直人
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概要 多くの物質は温めると伸び、冷やすと縮みます。この温度による伸縮(熱膨張)は、製品が壊れる原因になることがあります。この問題を解決するために、温めると縮む材料が開発されています。この材料を他の材料と混ぜ合わせることで、温度変化による伸び縮みを打ち消すことができ、精密機械のようなわずかなズレも許されない分野での活用が期待されています。本発表では、分子の形のごくわずかな違いが、熱膨張の仕方にどのような違いを生むかを紹介します。2つのベンゼン環が単結合でつながった分子において、カルボキシル基がどの位置で結合しているかによって、分子が集まって結晶になるときの並び方が大きく変化します。そして、この並び方の違いによって、温めると伸びる「正の熱膨張」と、温めると縮む「負の熱膨張」を作り分けられることが明らかになりました。
W-17
遺伝的な疾患リスクの時間変動を理解する
慶應義塾大学 ヒト生物学‐微生物叢‐量子計算研究センター(WPI-Bio2Q) 小嶋 将平
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概要 ヒトゲノムには多くの遺伝子多型が存在し、その一部は疾患リスクである。ヒトは生まれながらにそのような遺伝的な疾患リスクを有し、多くの疾患リスク多型がカタログされている。しかしそのリスクが発現するタイミングの理解はまだ進んでいない。
一部の疾患リスクは条件特異的に発現することが知られている。例えば免疫疾患に関連する疾患リスクの一部は、免疫応答時にリスクを発現する。我々はウイルス感染をモデルとし、免疫応答時の疾患リスクの時間変動を観察することで、遺伝的な疾患リスクが発現するタイミングを研究している。疾患を理解するため、病原体感染という条件のもと、時系列に沿って観察する意義をご紹介したい。
W-18
シアノロドプシンの発見が描き出すシアノバクテリアの多様な光利用戦略
東北大学・海洋研究開発機構 変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC) 長谷川 万純
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概要 シアノバクテリアは、クロロフィルの多様化や光受容体の発達によって多様な光環境に適応してきた。本研究では、シアノバクテリアのゲノム・メタゲノム配列からロドプシンを探索し、シアノバクテリアのロドプシンのみで構成される2つの新規クレード、シアノロドプシン(CyR)およびシアノロドプシン-II(CyR-II)を発見した。異種発現系を用いた機能解析により、両者が光駆動型プロトンポンプであることを明らかにした。さらに系統・分光解析から、CyRは主に淡水由来で緑色光を利用する一方、CyR-IIには沿岸の微生物マット由来の緑色光利用グループと、陸水・土壌由来の黄緑色光利用グループが存在することを示した。立体構造・変異体解析から、利用波長の差異はレチナール付近のアミノ酸残基の違いに由来すると考えられた。これらの結果から、シアノバクテリアがロドプシンの獲得を通じて多様な光環境に適応してきたことを提唱した。