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研究
2026年1月24日
視神経に“網膜血管幹細胞の貯蔵庫”を発見―網膜の病気に対して血管の回復を促す新しい治療へ―

大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(WPI-PRIMe)拠点長、大阪大学大学院医学系研究科の西田幸二教授、﨑元晋寄附講座准教授らの研究グループは、網膜の血管内皮細胞を供給する幹/前駆細胞が視神経に豊富に存在することを明らかにしました。これまで組織常在性の血管内皮前駆/幹細胞に関しては、一部の細胞表面マーカーなどが報告され、大血管に存在することが多いとされていましたが、具体的にどこに幹細胞が存在し、どのように細胞が供給されるのか、その詳細なメカニズムは解明されていませんでした。 今回、研究グループは、マウスを用いた、シングルセルRNAシークエンス(scRNA-seq)解析で視神経に集まる血管内皮の幹/前駆細胞を同定し、さらに系譜追跡と血管障害モデル(酸素誘導性網膜症モデル)で“視神経から網膜へ細胞が供給され、損傷時には修復に動員される”ことを示すことにより、網膜血管の維持・修復を支える“供給源(幹細胞の貯蔵庫)”が視神経に存在することを解明しました。これにより、糖尿病網膜症や未熟児網膜症、網膜静脈閉塞症などの虚血性網膜疾患で失われた生理的な毛細血管網を回復させる、新たな治療標的・再生医療戦略の開発が期待されます。本研究成果は、米国科学誌「Nature Communications」で公開されます。

タイトルEndothelial stem cells of the retinal vasculature reside in the optic nerve
著者Susumu Sakimoto, Toru Takigawa, Akiko Oguchi, Masahito Yoshihara, Sho Sekito, Chihiro Ueda, Akihiko Shiraki, Kosuke Shiki, Kaito Yamaguchi, Yoko Fukushima, Shigetaka Kitajima, Yasuhiro Murakawa, Andrew J. Quantock, Kohji Nishida
DOI10.1038/s41467-025-68201-6
雑誌名Nature Communications(オンライン)
公開日2026年1月23日(金)19時(日本時間)