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研究
2025年4月17日
世界初、ヒト肝臓のZonationを再現した多層構造を持つオルガノイドを開発

当拠点副拠点長の武部貴則教授らの研究グループは、世界で初めて、ヒト多能性幹細胞(iPS細胞)から、生体肝臓に存在するZonation(機能的な多層構造)を備えた肝臓オルガノイドの創出に成功しました。遺伝子改変技術を組み合わせて、高濃度アスコルビン酸(細胞内)とビリルビン(細胞外)暴露を不均一に導入することにより、異なる肝細胞を誘導・自己組織化させることで、肝臓内のゾーン1〜3に相当する多層型構造を再現しました。さらに、得られたモデルから、ゾーンごとの特異的な遺伝子発現を制御するエピジェネティックなメカニズムを解明しました。
このオルガノイドを重度の肝不全モデル動物に移植したところ、血中アンモニアやビリルビンの濃度が大きく改善し、生存率も有意に向上しました。本技術は、肝疾患研究や薬物評価、再生医療の新たな基盤技術となることが期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nature」に、4月16日(水)に公開されました。

タイトルMulti-zonal liver organoids from human pluripotent stem cells
著者Hasan Al Reza, Connie Santangelo, Kentaro Iwasawa, Abid Al Reza, Sachiko Sekiya, Kathryn Glaser, Alexander Bondoc, Jonathan Merola & Takanori Takebe
DOIhttps://doi.org/10.1038/s41586-025-08850-1
雑誌名Nature
公開日2025年4月16日