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研究
2024年6月12日
やせているのに糖尿病になりやすい体質を予測

ゲノム全体の遺伝子変異から算出した2型糖尿病の発症予測は、将来的な個別化医療へ貢献することが期待されています。しかし、2型糖尿病が不均一な疾患であることや、日本人のゲノム情報は欧米人と比べてまだ十分に集積されていないことから、本邦における将来的なゲノム医療の質が低くなることが懸念されています。

岡田随象教授(大阪大学医学系研究科遺伝統計学/WPI-IFReC 免疫統計学/WPI-PRIMe遺伝統計学/東京大学大学院医学系研究科 遺伝情報学 教授/理化学研究所生命医科学研究センター システム遺伝学チーム チームリーダー)らの共同研究グループは、体格指数(BMI)を使用することで2型糖尿病の遺伝的リスク予測精度が向上することを発見しました。さらに、集団間の遺伝的な違いを補正できる機械学習手法を組み合わせることで、欧米人集団の豊富なゲノム情報を活用して、日本人集団に対する予測精度のさらなる向上を実現しました。 また、ゲノム解析により、2型糖尿病になりやすい遺伝的体質に関わるメカニズムを明らかにしました。今回の研究成果は、2型糖尿病の遺伝的リスク予測制度を向上するとともに、将来的に、糖尿病予防や合併症予防といった個別化医療へ貢献することが期待されます。

この成果は、2024年6月11日(火)18時(日本時間)に米国科学雑誌Nature Geneticsにオンライン掲載されました。

タイトルBody mass index stratification optimizes polygenic prediction of type 2 diabetes in cross-biobank analyses.
著者名Takafumi Ojima, Shinichi Namba, Ken Suzuki, Kenichi Yamamoto, Kyuto Sonehara, Akira Narita, the Tohoku Medical Megabank Project Study Group, the Biobank Japan Project, Yoichiro Kamatani, Gen Tamiya, Masayuki Yamamoto, Toshimasa Yamauchi, Takashi Kadowaki, Yukinori Okada
DOIhttps://doi.org/10.1038/s41588-024-01782-y
掲載誌名Nature Genetics
公開日2024年6月11日(オンライン)

大阪大学ReSOU(2024年6月11日公開)
BMI×ゲノムで2型糖尿病の遺伝的リスク予測精度を向上