谷内江 望
特任教授/PI
大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点 (The University of British Columbia School of Biomedical Engineering (SBME), Associate Professor)
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PRIMeの研究者
PRIMeでは、多様な分野、国籍、背景を持つ研究者がアンダーワンルーフで混ざり合い、学際的・統合的な研究ができる研究環境を醸成していきます。
谷内江 望
特任教授/PI
大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点 (The University of British Columbia School of Biomedical Engineering (SBME), Associate Professor)
高解像度DNAイベントレコーダーの開発
動物システムにおける分子・細胞動態を高解像度に記録し、読み出すことのできる高解像度DNAイベントレコーダーを開発し、新しい生命科学の探究手段群を樹立する。
研究概要
動物の発生は多様な種類の細胞が協奏し動的にそれらの機能を変化させながら進展する。一方で、自然科学は目の前に存在する対象を観察することしか許さない。1細胞解析技術は動物の組織をどのような細胞が構成し、それぞれがどのような分子プロファイルをもつか解析できるようにしたが、観察時点において細胞を破壊する。現在の生物学は、受精卵から動物の全身発生など、多細胞が構成する複雑な生命システムについて1細胞解像度でその動態情報を調べることができない。
谷内江らはこの問題を解決するためにはDNAイベントレコーディングというアプローチが必要であると考え、哺乳動物細における合成生物学研究をリードしてきた。DNAイベントレコーディングは人工遺伝子回路で構成される自律的な観察記録システムを細胞に搭載し、これが細胞の内外で起こる様々なイベント情報を細胞内部の人工DNAに(磁気テープのように)経時的に書き込んでいくというものである。細胞が分裂する度に情報が記録されたDNAテープを娘細胞に継承するので、例えば、これが仕掛けられたマウスの受精卵から成獣マウスを得て、その細胞一つひとつの過去の状態履歴情報を再構築することができる。
PRIMeにおいて、谷内江グループはもう一つの研究拠点のあるブリティッシュコロンビア大学と連携し、大阪大学においてもこの新しい哺乳動物の合成生物学分野の円熟に向けて研究・教育を行い、生物学・医学分野における新しい発見を促進するプラットフォームを樹立する。
参考文献