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メンバー

PRIMeの研究者

PRIMeでは、多様な分野、国籍、背景を持つ研究者がアンダーワンルーフで混ざり合い、学際的・統合的な研究ができる研究環境を醸成していきます。

松本 さおり

特任助教(常勤)

大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点

関連ウェブサイト:
iPSCコアファシリティ

研究概要

 iPS細胞はクローン毎に分化能や機能にばらつきが生じることが知られている。この「クローン間差(clone-to-clone variation)」の原因を解明することは、基礎研究における細胞特性の理解だけでなく、臨床応用の信頼性確保や標準化の実現に向けても重要な課題である。

クローン間差の実態を可視化し克服することを目的として、DNAバーコード技術 「cloneselect」(Ishiguro et al., 2025. Nat Biotechnol.)を活用する。

具体的には、線維芽細胞にDNAバーコードを導入した上でiPS細胞を樹立し、その後、三胚葉系譜(外胚葉・中胚葉・内胚葉)やオルガノイドへの分化誘導を行い、各分化系列におけるクローンの寄与率を追跡・定量する。このアプローチにより、特定の分化特性や機能的表現型を示すiPS細胞クローンを同定・単離し、再増幅を通じて、より高効率かつ均質な分化誘導系の確立が期待される。

本手法は病態モデル構築や薬剤スクリーニングにおけるクローン選抜、表現型スクリーニングによる薬剤のメカニズム解明、さらには個別化医療への展開にも資する可能性を有している。

本研究は、iPS細胞に内在するヘテロ性を定量的かつ系統的に把握する新たな枠組みを提供するものであり、iPS細胞技術の信頼性・再現性の向上に寄与する基盤的成果を目指す。

コアファシリティ/iPS細胞コアファシリティ
准教授
助教ほか